2010年01月31日
310~314 モーツァルト
310 モ-ツァルト 弦楽四重奏曲第14~19番「ハイドン・セット」
311 モ-ツァルト 弦楽四重奏曲第21~23番「プロシャ王」
(全曲あるいは選集)
アルバン・ベルクSQは2回、モ-ツァルトの弦楽四重奏曲全集を出している。1980年代に録音された2回目の全集(EMI)は力感にみちた演奏になっており、そのぶんたしかに迫力は増しているがわたしの感想としては「ベ-ト-ヴェンならこの再現でぴったりだろう」というものであった(事実ABQがEMIに入れたベ-ト-ヴェンの弦楽四重奏曲全集は素晴らしいできばえになっている)。それに比して1回目の全集(1975~78年。テルデック)は完璧なアンサンブルに視点がいっており、そのすこしひんやりとした質感がモ-ツァルトにうまく合っていた。まずもって1回目の全集をチョイスすべきであろう。
312 モ-ツァルト ピアノ四重奏曲第1番ト短調 K.478
ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調 K.493
ネタ本ではクリ-ン、アマデウスSQ団員(1981年。グラモフォン)を第1位に推している。これもわたしが若いときに廃盤になっていて、1位推薦盤をきいていない。このトシになって「なるほど、その組み合わせならうまくいくだろう」と思うが手遅れもはなはだしい。わたしが持っているのはセル、ブダペストSQ団員(1946年。ソニ-)による録音だが、セルのピアノがどうにもカチカチで「これがモ-ツァルトの指揮を得意とする人の演奏であろうか」と思ったことを覚えている。つまり、この曲については録音のいい名演にめぐまれていない。クリ-ン盤の再発を望むばかりである。
313 モ-ツァルト フル-ト四重奏曲(全4曲)
この曲など、クイケン兄弟が得意にしている(1982年。アクサン)が、どうも古楽器によるピロピロした音色はユ-モラスすぎて好きでない。他にいろいろ探したことがあるが、フル-ト奏者のイマジネ-ションをかき立てないのか、あまり名人によるディスクが見当たらなかった。ニコレ、モ-ツァルト・トリオによる日本での録音(1983年。デンオン)もまずまずだが、わたしとしては日本コロムビアの残響のすくない録音にはいささかの疑問が残る。
314 モ-ツァルト オ-ボエ四重奏曲ヘ長調 K.370
この曲もホリガ-が録音した演奏は何故かわたしの好みでない。やはりロ-タ-・コッホが録音したふたつの盤(ひとつはベルリンpoゾリステンとの共演。1965年。もうひとつはアマデウスSQ団員との1975年盤)が良い。わたし個人の好みとしてはベルリンpoゾリステンとの録音のほうを、とる。コッホの後にBPOの首席に座ったシェレンベルガ-の演奏した盤もあるが、いささか以上に弾き崩しがあってわたしはあまり好きでない。