2010年01月29日
298~303 モーツァルト
298 モ-ツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
299 モ-ツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
300 モ-ツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調「トルコ風」 K.219
モ-ツァルトのヴァイオリン協奏曲には、再現においてなにがしかのコツがあるみたいである。曲との相性と言い換えてもよい。「それならスケ-ルが小さめで肌理のこまかい音楽をやるヴァイオリニストが合うのだろう」と言われると、部分的にはたしかにそうだけれど、それだけでもない気がする。
個人的に好きなのはここでもグリュミオ-とコリン・デイヴィス/LSOの演奏(1961~62年。フィリップス)であるが、もう一方でオイストラフがBPOを弾き振りした盤(1970~72年。EMI)も挙げておきたい。パ-ルマンやムタ-による再現もきいたけれど、なんとなく馴染めなかった。ここで「モ-ツァルトとの相性」についての表現が浮かんだのだけれど、「内に向かっていく力と外に放射される力のバランスがたいせつ」なのではないか?
これもいま思いついたのだが、いっときヒラリ-・ハ-ンがすごい人気だったけれど彼女はモ-ツァルトの協奏曲を録音しないのかしら。それとももう録音したのだっけ?
301 モ-ツァルト フル-ト協奏曲第1番ト長調 K.313
モ-ツァルト フル-ト協奏曲第2番ニ長調 K.314
選ぶのがむずかしい。良い盤のいくつかは挙げることができるが、いまのところ決定盤と言えるものがない。列挙してゆく。グラ-フ、レパ-ド/ECO(1984年。クラ-ヴェス)。ゴ-ルウェイ、ブリユ-ル/ニュ-・アイリッシュ室内o.(1973年。RCA)。ニコレ、リヒタ-/ミュンヘン・バッハo.(1960年。テレフンケン)。これらの盤のなかでフル-トの音色にいちばん納得がいったのはゴ-ルウェイ盤であった。モイ-ズもきいたが録音が悪すぎた。協奏曲第1番のみの選択ではウィ-ン・フィルのトリップ(ベ-ム盤)は歌い方にクセがあり、ベルリン・フィルのブラウ(カラヤン盤)はレガ-ト奏法に傾きすぎた。結局ゴ-ルウェイが平均打点の高さで首位に立ったが、わたしの知らない決定盤がどこかにあることを信じて待つとしよう。
302 モ-ツァルト フル-トとハ-プのための協奏曲 K.299
30年前からランパル、ラスキ-ヌ、パイヤ-ル/パイヤ-ル室内o.の演奏が高く評価されている(1963年。エラ-ト)。良く売れるのでエラ-トも廉価盤にして出しているようだ。これでまずもって充分だが、ランパル以外のフル-ト奏者によってきいてみたいという方にはゴ-ルウェイ、ヘルミス、カラヤン/BPO(1971年。EMI)の演奏をお薦めする。ゴ-ルウェイのすっきりとした音色がこの曲によく合っている。
303 モ-ツァルト オ-ボエ協奏曲ハ長調 K.314
ホリガ-の演奏した盤の評価がたかい。自身が指揮も受け持ったアカデミ-室内o.の盤(1983年。フィリップス)とデ・ワ-ルト/ニュ-・フィルハ-モニアo.が伴奏をした盤(1970年。フィリップス)がある。わたしの見解ではどちらもいまひとつという気がする。どちらか選んでほしいと言われればオ-ケストラの順応性の優位で前者をとる。カップリングが徳用という理由もある(クラリネット協奏曲とバス-ン協奏曲が入っている)。個人的に好きなのはコッホのオ-ボエ、カラヤン/BPOの演奏による1971年の盤(EMI)だ。わたしの個人的な好みを共有する人もけっこういるらしくてEMIのこの盤はいまでも現役だ。しかし初発のときはクラリネット協奏曲とファゴット協奏曲(別名バス-ン協奏曲)がカップリングされていたのに、最近ファゴット協奏曲のほうが削られてしまった。乱暴な話である。まあカラヤンのモ-ツァルトの木管協奏曲はオ-ボエ協奏曲だけが突出していてあとはいまひとつなのでいいと言えばいいけれど。