2010年01月11日
237~245 ラロ~リスト
237 ラロ チェロ協奏曲ニ短調
これはヨ-ヨ-・マのディスクで決定。マゼ-ルの指揮。フランス国立管弦楽団(1980年。ソニ-)。カップリングがシュ-マンとサン=サ-ンスのチェロ協奏曲で、その両方がベスト・チョイスなのだからまったく迷わない。
238 レハ-ル 喜歌劇「メリ-・ウィドウ」全曲
わたしには「ウィ-ン趣味」というものがよく、わからない。ウィ-ン・フィルハ-モニカ-のどこがいいオ-ケストラなのかよく、わからない(たまに凄い演奏をすることもあるが、本当にたまにだ)。陰険な街だなあと昔から思う。ウィ-ンとかパリとかいう街に行ったら、ひそひそ悪口を言われないように注意しないといけない。古都というのはいろいろな感覚が飽和状態になっていて、しまいに人の不幸だけが楽しみになる。「メリ-・ウィドウ」やら「こうもり」やらの陰湿さはどうであろうか。わたしにはさっぱり笑えないオペラなのである。
わたしの持っているのはカラヤン/BPOの演奏。1枚ものの抜粋盤(1972~73年。グラモフォン)だが不足を感じたことはない。どうしてもウィ-ンの脂粉の香りをと仰有る方にはアッカ-マン/PO(1953年。EMI)を。
239 レオンカヴァッロ 歌劇「道化師」
モリナ-リ=プラデルリ盤(ロ-マ聖チェチ-リア音楽院o.1959年。ロンドン)がデル・モナコの歌唱で光る。ドミンゴの歌でききたいのだが、全曲では指揮が弱い。ドミンゴとパヴァロッティの歌唱がなかなかオペラの全曲盤で楽しめないというのはカラヤンを除く20世紀指揮者の怠慢であったと思うのはわたしだけか。
240 リスト 交響詩「前奏曲」 S.97
リストがきらいな人は多い。わたしもそのひとりである。カラヤン/BPOにまかせておこう。1967年の録音と1983年の録音がある。どっちも同じだ。
241 リスト ハンガリ-狂詩曲集(オ-ケストラ版、ピアノ版を含む)
この曲には面白いCDがある。RHAPSODIES(ラプソディ-ズ)というタイトルのCDでストコフスキ-がRCAso.を振っている(1960年。RCA)。カップリングに「売られた花嫁」などの管弦楽ショウ・ピ-スが収録されているが、なかに「トリスタンとイゾルデ 第3幕への前奏曲」がある。これを演奏しているのがシンフォニ-・オブ・ジ・エア、つまりトスカニ-ニ引退後のNBC交響楽団である。ここでの彼らはなんとも凄いような名演を成し遂げている。最初に述べたハンガリ-狂詩曲第2番もストコフスキ-ならではの名調子で、たいへんに楽しめる。
242 リスト ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
243 リスト ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125
この2曲はしばしばカップリングされる。わたしの挙げるリヒテル盤(コンドラシン/LSO。1961年。フィリップス)もそうだ。リヒテルが西側にデビュ-してから初めてのレコ-ディングだが、老年になってバッハやシュ-ベルトを弾くようになった爺さんとはおよそ別人かと思うほどの豪腕である。コンドラシンという指揮者の伴奏も「ソ連の鉄腕指揮者」というイメ-ジそのものの無神経ぶりで、この曲をチマチマ解釈してなにが面白いと言わんばかりの演奏だ。仄聞したところではこの曲のレコ-ディングにあらわれたリヒテルは休憩もなしで朝から夕方までセッションを続け、LSOの猛者もさすがに参ったそうである。この曲のイメ-ジにぴったりではないか。
244 リスト ピアノ作品集
このあたりで「昔のホロヴィッツ」をきこう。RCAから1947~53年のあいだにホロヴィッツが弾いたリストの作品が収録されたCDが出ている。アホのホロヴィッツが馬鹿のアメリカで大受けに受けた白痴超絶技巧がここにある。彼以上のアホがいつ出てくるだろう。21世紀中に出るだろうか。
245 リスト ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
これはアルゲリッチの1971年の録音(グラモフォン)がいいだろう。アルゲリッチとホロヴィッツというふたりのピアニストは、どういうわけか似たような資質を持っていてときどきそっくりな演奏をする(ホロヴィッツがデビュ-当時のアルゲリッチのレコ-ドをきいて感嘆したというエピソ-ドは夙に有名だ。もっともホロヴィッツという人はほかにもいろいろ感嘆したという話があるけれど)。のちのち出てくるがシュ-マンの「クライスレリア-ナ」の冒頭の弾き方が二人ともそっくりなのでわたしがびっくりしたことがある。