2010年02月11日

390~393 シューベルト


390 シュ-ベルト 交響曲第5番変ロ長調 D.485

 交響曲だと作曲家ごとにボックス・セットを選ぶのが好きなコクマルガラスの流儀に従って、ここでもシュ-ベルトの交響曲全集を選ぼう。まず第一に推すのがベ-ム/BPOが1963、66、71年に録音したセットだ(グラモフォン)。BPOの骨格のしっかりした演奏がシュ-ベルトの曲によく合う(シュ-ベルトだから歌謡的な演奏の方が良いと思うのは早合点。ピラミッド型の音響バランスとがっちりした構成がないとシュ-ベルトの交響曲-だけではなく他の曲もそうだが-は横流れの愚図愚図になってしまう)。録音時期もベ-ムのピ-クにあたるだけに「どこから押してもビクともしない」といった感がある。ベルリン・フィルもカラヤンの統治下にありながらベ-ムの表現意図をよく汲んでいる(カラヤンはシュ-ベルトが苦手であった)。
 ウィ-ンに生まれウィ-ンで死んだシュ-ベルトの再現にはVPOのほうが良いのではないかと問われるなら、答えはノ-である。ウィ-ン・フィルというオ-ケストラはなぜだかシュ-ベルトの交響曲を演奏する際に妙な「しな」をつくる。それが本家ウィ-ン流だということならば、わたしはそうした流儀とシュ-ベルトの組み合わせが好きでない。あの媚態ともとれる旋律のうたわせ方が通用するのはJとRのシュトラウスくらいではないかしら。


391 シュ-ベルト 交響曲第8番ロ短調「未完成」 D.759

 昔なつかしいワルタ-/NYPの盤(1958年。ソニ-)を聴こう。現在若い人にとってもこの盤はなぜかしら「懐かしい」という気分を誘うのではなかろうか。これはある意味で「ワルタ-の不思議」と言えると思う。


392 シュ-ベルト 交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」 D.944

 この曲にはフルトヴェングラ-/BPOの1951年盤(グラモフォン)がある。録音もフルトヴェングラ-のもののなかではシュ-マンの交響曲第4番とならんで最上に属するし、演奏は折り紙つきである。もっともベ-ム/BPO盤をセットで買ってしまわれた方にとっては、そのベ-ム盤がフルトヴェングラ-盤と並ぶ唯一のディスクになるので重複するわけだが・・。


393 シュ-ベルト ピアノ五重奏曲イ長調「ます」 D.667

 この曲にはたくさんのディスクがあるが、どの演奏をとってもさほどの優劣はない。そういった曲趣なのだ。いまのところブレンデル、クリ-ヴランドSQ、デマ-クによる再現(1977年。フィリップス)が屈託のない明るさから推薦に値する。

  

Posted by コクマルガラス at 06:33Comments(88)TrackBack(0)
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