2010年02月05日
351~354 プッチーニ
351 プッチ-ニ 歌劇「蝶々夫人」全曲
このオペラくらい日本人を馬鹿にした話もあるまいが、日本人女性が毛唐に好まれる理由は結局ここにあるのだ。カラヤン/VPOの盤(1974年。ロンドン)がいちばん録音もいいしひっかかってくるような問題もない。
352 プッチ-ニ 歌劇「トスカ」全曲
「困ったときのトスカ頼み」という言葉がある。二流のオペラ小屋が採算に苦しいとききまって「トスカ」を演目にするという悪口である。ソプラノ、テノ-ル、バリトンの3人が揃えば群衆シ-ンもないしどうにか凌げるわけだ。まあ、われわれはそんな逼迫した状況とは無縁だからCD選びには贅沢なところでデ・サ-バタ/ミラノ・スカラ座の2枚組(1954年。EMI)を選ぼう。カラスとステファノも好調だし、なによりデ・サ-バタの指揮が圧倒的だ。わたしはミラノ・スカラ座というオ-ケストラも「なかなか真面目にやらない横柄なオケ」だと思っているが、セラフィンではダメでもデ・サ-バタが振るといい演奏をする。なんでもこの録音のセッションでデ・サ-バタは執拗にテイクを重ねたらしくスカラ座の楽団員から告訴されかかったという話をきいたことがある。
353 プッチ-ニ 歌劇「ボエ-ム」全曲
これまたひどい筋書きのオペラだが、まあオペラの筋についてああだこうだ言うこと自体オペラがわかっていないようなものだから、やめておく。カラヤンが珍しくベルリン・フィルを振って入れた盤(1972年。ロンドン)がいいだろう。ただしフレ-ニとパヴァロッティの「わたしの名はミミ」「冷たい手を」はどちらもカラヤンの拘束力で圧殺されており、そうしたアリアを楽しみたいのであればそれぞれの「オペラ・アリア名唱集」をもとめたほうがよい。
354 プッチ-ニ 歌劇「トゥ-ランドット」全曲
ドミンゴのカラフがきけるカラヤン/VPO盤(1981年。グラモフォン)がベストであろう。ことこのオペラについてはカラフの「泣くな、リュ-」「誰も寝てはならぬ」を抜きにしてはどうしようもない。カラヤン一流の「煽り」もこのオペラでは有効に活かされている。パヴァロッティによる歌唱をのぞむのであればメ-タ/LPOの盤(1972年。ロンドン)ということになるが、メ-タの指揮はいまひとつだ。パヴァロッティの「泣くな、リュ-」をききたいばっかりに2枚組をもとめてみたが、オクラ入りになって久しい。コレルリ(モリナ-リ=プラデルリ/ロ-マ歌劇場o.の伴奏。1965年。EMI)もデル・モナコ(エレ-デ/聖チェチ-リア音楽院o.1955年。ロンドン)もいまとなっては歌唱スタイルが古い。