2010年02月03日
336~342 ムソルグスキー~ペルゴレージ
336 ムソルグスキ- 組曲「展覧会の絵」(管弦楽版)
「総譜を完全に弾けるか」どうかで勝負のきまる曲だけに、実力のあるオ-ケストラをえらびたい。この曲の圧倒的なパワ-を存分に出せるオ-ケストラといえばフィラデルフィア管弦楽団とシカゴ交響楽団、クリ-ヴランド管弦楽団と、あとベルリン・フィルくらいだろう。この中で「展覧会の絵特産地」を誇るのがCSOで、ジュリ-ニが振った1976年盤(グラモフォン)、ショルティが振った1980年盤(ロンドン)のいずれもが凄い名演奏になっている。オ-マンディがフィラデルフィアo.を振った録音(1973年。RCA)は未聴だが、いい演奏だろうと想像せられる(オ-マンディはラフマニノフの協奏曲やムソルグスキ-になると実力を発揮する指揮者だ)。
337 ムソルグスキ- 組曲「展覧会の絵」(原曲ピアノ版)
1960年代から1980年代にかけて、この曲となると必ず引き合いに出されるのが1951年のホロヴィッツ盤(RCA)と1958年のリヒテル盤(フォンタナ)であった。いずれもライヴ演奏のモノラル盤で、たしかに録音の古さを超えて放射されてくるオ-ラの強さは比類なきものだ。しかし、もう21世紀だ。最初に聴くのはもうすこしよい録音の盤にしたい。そこでわたしが推すのがワイセンベルク盤(1971年。EMI)だ。ワイセンベルクのパワフルな名技が全開になってきくものを圧倒する。ワイセンベルクにくらべたらアシュケナ-ジ(1982年。ロンドン)すらもいささか小さい気がする。
338 ニ-ルセン 交響曲第4番「不滅」
北欧ものはカラヤン/BPOがうまい(1981年。グラモフォン)。「またカラヤンですか」と仰有る方にはラトル/バ-ミンガム市立so.による1984年の演奏(EMI)をお薦めする。この録音の頃のラトルはピ-クにあった。ヤナ-チェクやニ-ルセンを得意にしている若い指揮者を、なんでまたBPOは雇ったのであろうか。
339 オルフ カルミナ・ブラ-ナ
この曲が「名曲」だって? と、いささか考えさせられる。まあストラヴィンスキ-の「春の祭典」みたいなもので、要点を押さえれば伝統の呪縛から解放されてイキのいい演奏ができる点では名曲かな、とは思う。以前から評判のたかいヨッフム/ベルリン・ドイツ・オペラo.による再現を(1967年。グラモフォン)。ム-ティ/PO(1979年。EMI)やレヴァイン/CSO(1984年。グラモフォン)も同じレヴェルだと思う。
340 パガニ-ニ ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調
これで決まり、という盤はいまのところ無いように思う。庄司沙矢香、メ-タ/イスラエル・フィルの録音(2000年。グラモフォン)やヒラリ-・ハ-ン、大植英次/スウェ-デン放送so.の録音(2005年。グラモフォン)があるが、随所随所にムラがあってスタンダ-ドとして推すには弱い。結局のところアッカルド、デュトワ/LPOによる1975年の録音(グラモフォン)ということになる。
341 パガニ-ニ カプリ-ス
これも選ぶのが意外と難しい。個人的には「モ-ツァルトをひくようにパガニ-ニをひきたいと思った」と述べているフランク・ペ-タ-・ツィンマ-マンの録音(1984年~85年。EMI)が好きだ。パガニ-ニの曲をジプシ-・ヴァイオリン風に弾いたディスクをお探しであればパ-ルマン(1972年。EMI)かミンツ(1981年。グラモフォン)がいいだろう。
342 ペルゴレ-ジ スタ-バト・マ-テル
アバド/LSO団員の1983年の盤(グラモフォン)はたしかレコ-ド・アカデミ-賞を受賞したのではなかったか。記憶ちがいであったらお詫びするが、なにはともあれ日本のクラシック・ファンはアバド盤によってこの曲を再認識したのだ。グラチス/ナポリ・スカルラッティo.(1972年。アルヒ-フ)も悪くはないが、結局のところ二番手の盤だという評価からはのがれられない。
Posted by コクマルガラス at 11:31│Comments(2)│TrackBack(0)
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この記事へのコメント
参考になります!ありがとうございます!
Posted by tengood at 2010年02月16日 17:21
暖かいお言葉ありがとうございます。これからも頑張りますので宜しく。
Posted by コクマルガラス at 2010年02月16日 20:51