2010年01月15日

260~265 マルチェッロ~メンデルスゾーン


260 マルチェッロ オ-ボエ協奏曲ニ短調

 この曲になると、昔からホリガ-の盤が定評がある(ネグリ/ドレスデン国立o.1972年。フィリップス)。まあ、この『コクマルガラスの名曲名盤500』においてオ-ボエ協奏曲が出てくるのはマルチェッロとモ-ツァルトの項ぐらいだろうからホリガ-に花を持たせておいてもよいのだが、ばらしてしまうとわたしはホリガ-の音があまり好きでない。きいたあとに「芸術に接した」というよりは「偉い先生の講義をきいた」という感覚になってしまうのだ。その点、ピエルロの盤(シモ-ネ/イ・ソリスティ・ヴェネティによるものとパイヤ-ル/パイヤ-ル室内o.によるもののふたつがある。レ-ベルはどちらもエラ-トだ)はまことに愉悦的な音色で吹かれており、ニ短調という哀感のまつわる曲想にも不足なく応えている。モ-ツァルトのオ-ボエ協奏曲ではロ-タ-・コッホを挙げることになるだろうから、マルチェッロはピエルロだ。


261 マスカ-ニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカ-ナ」全曲

 このオペラの「間奏曲」をもっともうまく演奏できるのはカラヤン/BPOである。序曲とか間奏曲を集めたディスクが出ているはずだから(グラモフォン)買ってみるのもいい。全曲という要求ならばシノ-ポリ/PO、ドミンゴとバルツァの盤(1989年。グラモフォン)であろうか。古典的名盤をという方にはエレ-デ/フィレンツェ五月音楽祭o.、テバルディ、ビョルリンクの演奏(1957年。ロンドン)がいいと思う。セラフィンがロ-マ聖チェチ-リア音楽祭o.を振った1960年の盤もあるが、わたしはいまもってロ-マ国立歌劇場o.以外のオ-ケストラを振ったセラフィンに感動したことがない。


262 マスネ 歌劇「ウェルテル」全曲

 このオペラならクラウス、クラウスなら「ウェルテル」というくらいアルフレ-ト・クラウスの名がたかい。プラッソン/LPOと組んだクラウス(1979年。EMI)の歌唱をきいてわたしも異議なし。


263 メンデルスゾ-ン 交響曲第3番イ短調「スコットランド」 Op.56

 クレンペラ-のメンデルスゾ-ンは重厚で巨大なつくりになっている。テンポも大変におそい。それがメンデルスゾ-ンの再現にふさわしいかどうかは議論もあろうが、わたしは好きである。特にこの曲についてはそうした指揮が合うように思うがどんなものだろうか。フィルハ-モニアo.1960年の録音。EMI。


264 メンデルスゾ-ン 交響曲第4番イ長調「イタリア」 Op.90

 冒頭の陽光の差し込んでくるような旋律のイメ-ジをいちばん鮮明にとらえているのがセル/クリ-ヴランドo.の演奏だ(1967年。ソニ-)。セルの性格無比な演奏がもっともエラン・ヴィタルを感じさせることに気づいたときは驚いたものだ。シノ-ポリ/POやトスカニ-ニ/NBCso.を持ち上げる批評があるが、クリ-ヴランドに比べるとフィルハ-モニアは生ぬるいし、トスカニ-ニの苛々した演奏など聴きたくもない。


265 メンデルスゾ-ン 交響曲第5番ニ長調「宗教改革」 Op.107

 3番や4番と比べると、あまり面白くない曲だ。ミュンシュ/BSO(1958年。RCA)を推しておく。これ1曲だけではCD1枚にならないから3番あるいは4番とのカップリングになるが(ミュンシュ盤はどちらともカップリングされた経歴がある)、その曲でミュンシュの明快な解釈を聴くのも楽しいだろう。



Posted by コクマルガラス at 12:26│Comments(0)TrackBack(0)

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