2010年01月01日
190~194 ファリャ~フォレ
190 ファリャ バレエ「恋は魔術師」全曲
フィルハ-モニア時代のジュリ-ニがうまい(PO.1961年。EMI)。とかくこの曲は原色的色彩でいろどられることが多いが、ジュリ-ニとロス・アンヘレスは非常にノ-ブルに歌ってきかせる。「それじゃ物足りないよ」と仰有るかたは、次の191「三角帽子」で原色的な解釈を挙げるので、そちらをどうぞ。
191 ファリャ バレエ「三角帽子」(全曲あるいは組曲)
こちらの曲ではフリュ-ベック・デ・ブルゴス/PO、ロス・アンヘレスによる「お国もの」の演奏を(1965年。EMI)。ほとんどまったく同じ時期にふたりの指揮者によって両極の演奏をしてのけるフィルハ-モニアo.というオケはすごい。
192 ファリャ 交響的印象「スペインの庭の夜」
ふたつ選ぶ。エレガントなピアノをきかせるラロ-チャ盤(フリュ-ベック・デ・ブルゴス/LPO。1983年。ロンドン)と郷土色を強調したソリア-ノ盤(アルヘンタ/スペイン国立o.。1957年。ロンドン)である。
193 フォレ 劇組曲「ペレアスとメリザンド」組曲 Op.80
わたしにとっては第3曲「シシリエンヌ」を吹いているフル-ティストの音色によって評価が大きく別れる曲である。わたしの好みは寒色系の、ノイズのすくない音だ。いろいろきいた中ではプラッソン/トゥル-ズ・カピト-ルo.、シュタ-デの演奏(1979~81年。EMI)が、よかった。この盤ではふつうきかれない「メリザンドの歌」をシュタ-デの声できけるところもポイント。
194 フォレ ピアノ四重奏曲第1番ハ短調 Op.15
たいそう美しい曲だ。この曲をふくむフォレさまざまな室内楽曲はクラシック音楽の世界でひときわ光を放っている。フォレの音楽がきらいだという人はあまりいないが、ここであげるいくつかの曲は格別に親しみやすく、その静謐な美ゆえにファンも多い。
エラ-トから出ている選集と、EMIから出ている選集がいずれもレコ-ド・アカデミ-賞を受賞している。ユボ-のピアノを軸にしてガロワ=モンブランのヴァイオリン、ルキアンのヴィオラ、ナヴァラのチェロ、そしてヴィア・ノヴァSQと名前が並ぶエラ-ト盤は、その透き通った青と表現したい色調が美しい。対してコラ-ルのピアノをはじめデュメイのヴァイオリン、パレナンSQと揃ったEMI盤の表現は色で言えば淡い黄色であろう。甲乙つけがたいがわたしとしてはEMI盤の幸福感みなぎる演奏を、とる。ヴァイオリン・ソナタやチェロ・ソナタの出来がよい(と言うより、たしかエラ-ト盤にはこれらが入っていなかったように記憶する)のもEMI盤の強みだ。
コラ-ル、デュメイ、パスキエ、ロデオン。1977年。EMI。
Posted by コクマルガラス at 11:56│Comments(0)│TrackBack(0)